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白保根の湯の記をすなり
立秋の前の日入ると薄に逢ふと与謝野晶子
白保根の湯の記をすなり
立秋の前の日入ると薄に逢ふと与謝野晶子

湯について

白骨しらほねの由来

白骨温泉のお湯は、約三万年前から湧いていたとされています。
温泉水が吹き出す穴の周りには、
温泉成分である炭酸カルシウムが石灰華として固まり、
それらが幾重にも重なり「噴湯丘」となっています。

かつては「白船(しらふね)」と呼ばれることもありましたが、
大正時代、作家・中里介山が長編小説『大菩薩峠』で、
この地を「白骨温泉」と記したことをきっかけに、
「白骨(しらほね」という呼び名が定着しました。

(前略)金剛杖を取り直して、地上に、「白骨」の文字を認めました。その白骨の文字が、なんという鮮かな青味を持っていることでしょう、さながら、翡翠の光を集めたようにかがやきましたので、竜之助もその文字に見入りますと女の子は、
「それはハッコツとお読みになっては違います、シラホネと読むのでございます」
「どちらでもいいではないか」
「いいえ、シラホネとお読みにならなければ違います」

「白骨の巻」『大菩薩峠』中里介山

お湯の特徴

変幻する湯の表情

白骨温泉の温泉は、すべて源泉かけ流しです。
お湯は、湧き出したときには透明ですが、空気に触れると、
硫化水素が硫黄の微粒子となり、重炭酸カルシウムが炭酸カルシウムの微粒子となることで、美しい乳白色に変わります。
通常、乳白色の温泉は強酸性ですが、白骨温泉は限りなく中性に近い弱酸性。
絹のようになめらかで、小さなお子さまからご年配の方、すべての方のお肌にやさしいお湯です。

お湯の効能

三日入れば、
三年風邪をひかない

白骨温泉は古来より「3日入れば、3年風邪をひかない」と伝わる、
霊験あらたかなお湯です。
内臓疾患や神経性ストレス、特に胃腸の不調に効果があるとされています。
胃腸系内臓を患っていた歌人・若山牧水は、白骨温泉をこよなく慕い、
湯治場として何度となく足を運んだという紀行文を残しています。

私は時間の都合さえつけば今年の秋も登って行き度いものと思っている。夏がいい、夏ならば東京からも相当に客が来るのでお話相手もあろうから、と宿の者は繰返して云っていたが、それよりも寧ろ芋を洗う様な伊那節を聞く方が白骨らしいかも知れぬ。それに一時はアルプスの登山客で大変だそうだ。私の考えているのは、それらの何にもが影を消すであろう十月の半ばから雪のちらちらやって来る十一月の半ば頃まで、ぽっちりとその世ばなれのした湯の中へ浸っていたいということだ。無論、ウイスキーに何か二三種のよき鑵詰などどっさり用意してだ。其処から四里にして上高地、六里にして飛騨の平湯がある。共に焼岳をめぐった、雪の中の温泉である。

「白骨温泉」『みなかみ紀行』若山牧水

温泉の入り方

楽しみながら、ゆっくりと入浴していただくのが一番の効能です。
こちらで紹介するのは、持病の治癒や健康増進に役立つ入浴法のひとつです。
参考にしながら、効能をおためしください。

  1. 脚、腕、腹部の順に「かけ湯」をします

    皮下の血液循環を促し、血圧の一時上昇や脳貧血を予防します。

  2. ぬるめのお湯に、くつろぎながら入りましょう

    温泉の香りや風景で気分がリラックス。心身のリズムが整います。

  3. 湯出口から離れて、身体を伸ばしましょう

    筋肉の緊張がほぐれ、安定した気分が温泉の効果を高めます。

  4. ぬるめの湯には15分、熱い湯には5分程度

    入浴時間の目安です。水圧の影響でかかる、心臓への負担に要注意。

  5. 湯上がりは、洗い流さずそのままで

    皮膚に残る温泉の成分を洗い流すと、効果が半減してしまいます。

  6. 湯上がり後、30分は休憩しましょう

    湯疲れを防ぎ、リラックスした気分が温泉の効果を高めます。
    水分補給も忘れずに。

  7. 1日3回を限度にお入りください

    身体をいたわる入浴の回数です。入りすぎは疲労のもとになります。

飲泉

味覚でいただく温泉

白骨温泉のお湯は、そのまま飲むことができます。白硫黄と炭酸成分を直接体内に摂ることで、消化器系の臓器の血流・働きがよくなり、便秘にも効果があります。どなたでもお飲みいただけるよう、敷地内には2か所の飲泉所を設置しております。各宿ごとに源泉が異なるため、温泉の味にも個性があります。

温泉で炊いた「温泉粥」は、白骨温泉の名物です。本来は家庭で食されてきた郷土料理でしたが、胃の悪いお客様にお出しするようになったことから、名物として定着しました。飲んだときとはまた違う、まろやかな風味をお楽しみください。