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秋山に立つむらさきぞなつかしき
炭焼く煙むかつ峰に見ゆ若山牧水
秋山に立つむらさきぞなつかしき
炭焼く煙むかつ峰に見ゆ若山牧水

周辺散策・
近隣観光

作家の中里介山は、小説『大菩薩峠』のなかで
白骨温泉の景色を「五彩絢爛たる絶景」と称しました。

山紫水明の谷間に広がる、 四季折々の景色。
湯上がりには、 ぜひ付近を散策してみてください。

乗鞍岳を見上げ、 ブナやナラの林を眺め、
清流の音に耳を澄ませる。
夜は満天の星空を眺めながら、
また湯に浸かるのも一興です。

雄大な自然に抱かれて、 
何もない贅沢を、こころゆくまで。

やがて白骨の温泉場に着いて、顧みて小梨平をながめたときはお雪もその明媚な風景によって、さきほどの恐怖が消えてしまいました。

「他生の巻」『大菩薩峠』
中里介山

白骨温泉地域内の見どころ

  • 噴湯丘・球状石灰岩

    白骨温泉観光案内所より徒歩約8分

    太古に湧出した白骨温泉の湯には、炭酸石灰成分が多く含まれます。噴出した場所には沈殿物が多く付着し、幾重にもなりました。この沈殿物のなかには、世界的にもたいへん珍しい球状の石灰岩が含まれており、国の天然記念物にも指定されています。

  • 若山牧水・喜志子の碑

    白骨温泉観光案内所より徒歩約15分

    『秋山に 立つむらさきぞ なつかしき 墨焼く煙むかつ峰にみゆ』―若山牧水

    歌人・若山牧水は、信州の白骨温泉をこよなく愛したひとりです。上記の歌は、滞在した湯屋で詠まれたもの。この歌は石碑となり、今も白骨の地に残っています。
    紀行文でも、たびたび白骨温泉を登場させています。上高地や平湯を旅しながら、白骨温泉で胃腸の疲れを癒したということです。彼の紀行文からは、明治・大正当時の、白骨温泉のひなびた秘湯風情が伝わってきます。

    「信州白骨温泉は乗鞍岳北側の中腹、海抜五千尺ほどのところに在る。温泉宿が四軒、蕎麦屋が二軒、荒物屋が一軒、合せて七軒だけでその山上の一部落をなしてをるのである。郵便物はその麓にさかえる島々村から八里の山路を登って一日がかりで運ばるゝのである。急峻な山の傾斜の中どころに位置して、四邉をば深い森が囲んでいる。渓川の烈しい音は聞えるが、姿は見えない。胃腸病によく利くといふので友だちに勧められ、私はそこに一月近く滞在していた」

    ―若山牧水『樹木とその葉 火山をめぐる温泉』より

    若山牧水がこの世を去ったあと、夫人の喜志子はひとり氏を偲んで白骨温泉を訪れたといいます。

    ■若山牧水
    1885(明治18)年生まれ。戦前日本の歌人。本名・繁(しげる)。1912年、喜志子と結婚し2男2女をもうける。代表作『別離』、『さびしき樹木』(歌集)、『みなかみ紀行』(紀行)など多数。1928(昭和3)年没。

  • 中里介山文学碑

    白骨温泉観光案内所より徒歩約1分

    山奥にあった白骨温泉を世に知らしめたのは、作家の中里介山でした。彼が生涯にわたり執筆した長編時代小説『大菩薩峠』のなかで、「白骨温泉」の場面が出てきます。当時「白船(しらふね)」とも呼ばれていたこの温泉地は、中里介山が「白骨(しらほね)」と描いてからは一躍有名になりました。

    『大菩薩峠』の舞台は幕末。虚無に取りつかれた盲目の剣士、机龍之介を主人公とした一大巨編で、甲州大菩薩峠にはじまる彼の旅の遍歴と、周囲の人々のさまざまな生き方を描いた稀代の名作です。1913〜1941年にわたる約30年間、都新聞・毎日新聞・読売新聞などに掲載されましたが、作者の死と共に未完に終わりました。物語の中で、主人公は白骨温泉に滞在して保養に励みます。

    「やがて白骨の温泉場に着いて、顧みて小梨平をながめたときはお雪もその明媚な風景によって、さきほどの恐怖が消えてしまいました。(中略)ことに、龍之助はここへ着くと、まず第一に、『これから充分眠れる』という感じで安心しました。」
      ―「他生の巻」『大菩薩峠』中里介山

    四十一巻にものぼる一大巨編。深い山々に囲まれた白骨温泉で、ゆったりと読み耽るのもよいかもしれません。

    石碑を建てた人物:
    ■白井喬二(しらいきょうじ)・作家
    明治22年生。本名・井上義道。大衆文学、歴史小説の名手。大正9年「講談雑誌」に「怪建築十二段返し」を発表して作家デビューし、大正14年に直木三十 五や江戸川乱歩らと「二十一日会」を結成し「大衆文芸」を創刊して大衆文学の発展に貢献した。稀代の作家、中里介山を偲び白骨温泉に石碑を建立している。

  • 三十三観音さんじゅうさんかんのん

    白骨温泉観光案内所より徒歩約3分

    江戸時代、白骨温泉の霊泉的効能を得た湯治客の有志が建立したという、三十三体の観音さまです。伊那谷、三河、飛騨などから訪れた人々が、「三日入れば、三年風邪をひかない」と伝わる湯の恩恵に感謝し、建てたと言われています。石に刻まれた文字は風雨に侵食され、詳細は不明ですが、優しいまなざしの観音さまに手を合わせれば、効能を授かれたような気分になります。

  • 散策道(湯川沿い)

    白骨温泉観光案内所より徒歩約3分

    湯上がりの夕涼みに歩きたい、しっとりとした風情の木道と石畳。春の芽吹きと紅葉が美しいカツラの大木を眺めたり、湯川の清流に耳を澄ませたり。吊り橋を渡れば、隧通しと冠水渓が望めます。

  • 薬師堂

    白骨温泉観光案内所より徒歩約15分

    江戸時代(元禄15年)に建立され、今も「お薬師様」と親しまれる薬師堂です。白骨温泉では、湯の成分である硫黄と医療の王様をかけて「医王殿」とも呼ばれています。
    薬師如来は、病気やケガ、貧困を除き延命を導くとされる仏界の名医。人々の健康を祈願する本尊として、江戸時代から多くの湯治客に信仰されてきました。

  • 隧通しついとおし冠水渓

    白骨温泉観光案内所より徒歩約10分

    「隧通し」とは、湯川の急流が石灰岩を侵食してできた自然のトンネルのことです。高さ6m、長さ20m。巨大な岩を貫いて轟々と流れる川水が、自然の力の偉大さを物語っています。
    竜神の滝前から木道を下ると、湯川にかかる吊り橋に出ます。このあたりを「冠水渓」と呼びます。湯川渓谷の景観が見事で、紅葉の季節には、鮮やかな彩りが水面に映り込みます。
    橋の上から望む隧通しは圧巻。中に入ることはできませんが、自然が作り出した造形美をじっくり眺められます。隧通しの崖上にはバス停が、上流には白骨温泉公共野天風呂があります。

  • 散策道(小梨平コース)

    白骨温泉観光案内所より徒歩約3分

    駐車場から小梨平まで、ゆっくり歩いて30分(下りは20分)。秋にはドングリや栃の実が散らばるブナ、ナラの林を抜けると、一面の白樺と熊笹が広がる爽快な風景が待っています。小梨が白い花をつける春もおすすめ。歩きやすい靴でお出かけください。

  • 竜神の滝りゅうじんのたき

    白骨温泉観光案内所より徒歩約2分

    竜神の滝は、観光案内所から沢渡方面への道をすこし下った右手にあります。緑の苔の上を、幾筋もの水が白糸のように流れる様はとても美しく、季節ごとに鮮やかな彩りを見せてくれます。新緑と雪どけのコントラストが見事な早春、紅葉が揺れる秋の風景が特におすすめです。

  • 竜神の滝・氷柱

    白骨温泉観光案内所より徒歩約2分

    白骨温泉は標高約1400m。冬は雪が積もり、1〜2月頃には至るところで氷柱が見られます。

  • 展望台

    白骨温泉から乗鞍高原へ抜けるトンネルの手前

    壮大な山々に囲まれた眼下に、白骨温泉の温泉街が静かに佇んでいます。

  • 飲泉所

    新宅旅館の横、泡の湯旅館の横

    白骨温泉には2か所の飲泉所があります。散策の途中に立ち寄ったり、お持ち帰りいただいたり、どなたでも自由に飲むことができます。古くから白骨温泉の湯は、胃腸によいと言われてきました。常連のお客様の中には、各旅館の湯口から湯を持ち帰り、飲用される方もいらっしゃいます。

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